レーザー脱毛は大きく分けて「熱破壊式(ショット式)」と「蓄熱式(SHR方式)」の2種類があり、それぞれ異なる仕組みで毛根に作用します。
どちらの方式にもメリット・デメリットがあり、肌質や毛質によって適した方法が異なります。
本記事では、それぞれの仕組みや特徴、違いについて詳しく解説します。
1. 熱破壊式レーザーとは
使用されるレーザーの種類 |
特徴 |
アレキサンドライトレーザー(755nm) |
メラニンへの吸収率が高く、比較的肌が明るい人に向いている。 |
ダイオードレーザー(810nm) |
比較的幅広い肌質に対応できる。 |
ヤグレーザー(1064nm) |
深い毛根にも作用し、日焼けした肌や色素沈着がある肌にも使用可能。 |
メリット |
詳細 |
高い脱毛効果 |
毛乳頭や毛母細胞を破壊するため、少ない回数で高い脱毛効果が得られる。 |
太く濃い毛に適している |
メラニンへの反応が強いため、ワキやVIOなどの毛が濃い部位に効果的。 |
脱毛完了までの期間が短い |
約5~8回程度の施術で永久脱毛効果が期待できる。 |
デメリット |
詳細 |
痛みが強い |
レーザーの出力が高いため、照射時に輪ゴムで弾かれるような痛みを感じることがある。 |
火傷や色素沈着のリスク |
メラニンに反応するため、肌の色が濃い人は火傷や色素沈着のリスクが高まる。 |
産毛や白髪には効果が薄い |
メラニンが少ない毛には反応しづらい。 |
2. 蓄熱式レーザーとは
仕組み |
蓄熱式レーザーは、低出力のレーザーを連続照射し、毛包(毛を生やす組織)全体にじわじわと熱を加えることで、バルジ領域(毛の成長を促す幹細胞がある部分)を破壊する脱毛方式です。 |
使用されるレーザーの種類 |
特徴 |
ダイオードレーザー(810nm, 940nm) |
低出力でバルジ領域に熱を蓄積し、メラニンが少ない毛にも効果を発揮する。 |
メリット |
詳細 |
痛みが少ない |
低温でじわじわと熱を与えるため、熱破壊式に比べて痛みが軽減される。 |
肌へのダメージが少ない |
低出力で照射するため、火傷のリスクが低く、敏感肌や色黒肌でも施術可能。 |
産毛や細い毛にも効果がある |
バルジ領域に作用するため、メラニンが少ない産毛や白髪にも一定の効果が期待できる。 |
施術がスピーディー |
連続照射できるため、全身脱毛の施術時間が短縮される。 |
デメリット |
詳細 |
脱毛完了までに時間がかかる |
毛の成長サイクル(毛周期)に合わせて効果を発揮するため、熱破壊式よりも回数が必要。 |
濃い毛への即効性が低い |
低出力のため、濃い毛には時間をかけて徐々に効果を発揮する。 |
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3. 熱破壊式と蓄熱式の比較
項目 |
熱破壊式レーザー |
蓄熱式レーザー |
作用部位 |
毛根・毛乳頭 |
バルジ領域 |
痛み |
強い(輪ゴムで弾かれるような痛み) |
弱い(じんわり温かい感覚) |
脱毛効果 |
高い(少ない回数で完了) |
穏やか(回数が必要) |
濃い毛・太い毛への効果 |
◎ |
△ |
産毛・白髪への効果 |
△ |
◎ |
施術スピード |
普通 |
速い(連続照射可能) |
肌への負担 |
やや強い(火傷リスクあり) |
弱い(敏感肌OK) |
日焼け肌への適用 |
△(注意が必要) |
◎(可能) |
4. どちらのレーザー脱毛が向いているか?
適している人 |
熱破壊式レーザー |
蓄熱式レーザー |
脱毛完了までの期間を短縮したい |
◎ |
△(回数が必要) |
ワキ・VIOなどの濃く太い毛を脱毛したい |
◎ |
△(時間がかかる) |
痛みに耐えられる |
◎ |
○(痛みが少ない) |
痛みを抑えて脱毛したい |
△(痛みが強い) |
◎(低温で穏やか) |
産毛や細い毛をしっかり処理したい |
△(効果が薄い) |
◎(バルジ領域に作用) |
敏感肌・色黒肌でも安心して脱毛を受けたい |
△(火傷リスクあり) |
◎(低出力で安全) |
5. まとめ
熱破壊式レーザーと蓄熱式レーザーは、それぞれ異なる仕組みで脱毛を行います。
熱破壊式は、メラニンに直接作用し、強いエネルギーで毛根を破壊するため、少ない回数で高い効果を得ることができます。
しかし、痛みが強く、火傷リスクもあるため、肌が弱い人には向いていません。
一方、蓄熱式はバルジ領域に熱を蓄えて毛の成長を抑制する方法で、痛みが少なく敏感肌や日焼け肌にも適応できます。
ただし、効果が現れるのに時間がかかるため、脱毛完了までの回数が多くなる傾向があります。
どちらの方法が適しているかは、個人の毛質・肌質・希望する脱毛のスピードによって異なります。
カウンセリングを受けて、自分に合ったレーザー脱毛を選ぶことが大切です。
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