毛周期とは?

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毛周期とは

脱毛を望まれるお客様にとって、『毛周期』という言葉を耳にしたことのある方は、少なくないでしょう。 効果的な脱毛が行われるにあたって『毛周期』の仕組みを知っておく必要があります。 この『毛周期』は、脱毛とどのように関係しているでしょうか。 毛周期とは、毛の生え変わる周期とそのままの意味で単語そのものは理解しやすいと思いますが、そのメカニズムについては言葉だけでは難しいので、一つ一つ紐解いていきたいと思います。

1.毛周期

毛周期とは、毛の生え変わる周期と上でも述べましたが、毛周期は、サイクルとして「成長期→退行期→休止期」の3つに分類されています。 以下、毛周期を3つの段階に分けて、詳しくみていきましょう。

①成長期

成長期

成長期は、その名の通りで毛が成長して伸びている時期です。 成長期は、「成長初期」、「成長中期」、「成長後期」に大別することができます。 成長期は、皮下で毛乳頭からの命令により、毛根にある毛細胞の細胞分裂が活発に行われることで、毛がどんどん伸びてくる期間です。 成長初期は、皮膚の外まで毛が伸びていない状態(発毛しはじめた状態)なので、見た目では毛が生えているか判断が難しいところがポイントです。 一方、周囲の血管から毛に必要なアミノ酸などを吸収することで毛が成長し、成長初期から更に毛が伸びてきて、やがて皮膚の表面に現れ、このときが成長後期に相当します。 ただし、毛にも成長の限度があり、一定の長さになるになるまで成長し、やがてストップします。 (身近に考えれば、我々もある時期で身長が止まりますよね。) また、脱毛の観点でいえば、成長期は脱毛に適している時期に相当します。

②退行期

退行期

退行期では、毛細胞の細胞分裂が止まることで、毛乳頭と毛乳頭から栄養を得ていた毛の結合が弱まり、毛根から毛が離れた状態になっています。皮膚内に残った毛根は次第に押し上げられ、やがて毛が抜けやすくなります。 (皮膚下の「バルジ領域」から毛包幹細胞が生まれ、毛包幹細胞は細胞分裂を繰り返すことで、新たな毛母細胞が生まれ、次の『成長期』へ繋がります。)
*バルジ領域について バルジ領域とは、2000~01年に発見された毛の生成における比較的近年の概念を指し、バルジ領域には『毛包幹細胞』と『色素幹細胞』の2つが存在しており、これらの細胞が毛根に発毛の指令を出していると考えられています。 発毛の司令塔的な存在と認識して頂けるとよいでしょう。

③休止期

休止期

休止期では、毛と毛乳頭とが完全に離れていて、毛が自然に抜け落ちます。 更に休止期の毛乳頭部は、玉のようになって皮膚の中で休んでいる状態になり、表面上は毛が生えていない状態でも、毛根部は生きています。

2.脱毛と毛周期

 

脱毛と毛周期

一般的に、脱毛といえば、成長期の毛に光を照射することで、メラニン色素に反応させることで熱エネルギーが生じ、そのエネルギーによって毛母細胞のタンパク質を変容させてダメージを与えるというものですが、この仕組みにも納得がいくと思います。 毛周期の内容を踏まえると、脱毛とは、光の照射からくる熱エネルギーによって『毛母細胞を破壊または毛母細胞の活動を弱らせる』こととも簡潔に述べられます。(何方も言ってる内容は同じです。) つまり、毛の成長期に脱毛を行わなければ意味がないということです。

3.脱毛と回数

さて、今までの話を聞けば、「毛の成長期に脱毛すれば一回だけでよくない?」、「何で複数回も施術を受ける必要があるの?」なんて声があがってくると思います。ここでは、脱毛に回数を要する理由について、書いていきたいと思います。

①表面化されている毛は全てではない!

まず、我々が見えている肌の表面にある毛は、全体の毛の2割程度と言われています。 そのため、施術を行い、表面上の毛が抜け落ちても、残りの毛は皮膚の下で眠っていたり、抜け落ちて次の発毛の準備をしています。 休止期では、表面上生えている毛が存在しないため、メラニン色素に反応させることができず、毛母細胞にダメージを与えることができないので、施術する意味がありません。(ただし、SHR脱毛(蓄熱式脱毛)というバルジ領域へのアプローチの場合は、この理屈は該当しませんが、効果の有無等は当方では言及しません。)

②表面化されている毛の毛周期

毛周期で見て頂いた通り、表在している毛は、成長期と退行期の2つがあります。 毛そのものは細胞レベルでの発生しているので、毛ごとにそれらを判別することも難しく、退行期に光脱毛の施術を受けても効果は得られないため、見た目で分かる毛もその一回で脱毛しきっているとは言えないのです。

③個人差がある

この言葉を使ってしまうと都合の良いように聞こえてしまいますが、身長や体重等と同じように毛周期にも個人差があります。 例えば、筋肉がつきやすい体質、食べても太りにくい体質など他にも様々な個人差があります。 毛周期に関しても同様で、1~2週間程度の様子見で大丈夫な方もいれば、1ヶ月ぐらい様子を見る必要がある方もいます。 また、部位によっても毛周期が基本的には異なるため、そういった判断が難しいということもあります。 ただ、毛周期において、部位ごとに体系的にまとめられたデータはあるので、そういった判断材料を利用して施術を行うことで、より効果的な治療を実現させるようにしています。 そのため時期によっては、全く変化を実感できないこともあり、脱毛の効果に疑問を抱いてしまうこともあるでしょう。 一方で、こんなに早く効果が出るものなのかと施術者側も驚くことも少なくはありません。

こうした背景を知ってしまうと、『何故脱毛サロンは、複数回の料金プランを提案するのか』、『施術後の日程についての面談を重視するのか』といったことも見えてくると思います。 効果的な脱毛を実現するにあたって、毛周期は不可欠な要素なのです。

この記事の監修情報

VIVACE CLINIC

当院は医療レーザー脱毛専門院です。脱毛に関しての基礎知識をまとめておりますので、現在医療脱毛をお考えの方はご参考ください。

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