はじめに
医療脱毛は、ムダ毛の処理を長期的に行う方法として人気があります。
しかし、乾癬(かんせん)・白斑(はくはん)・湿疹(しっしん)などの皮膚の病気を抱えている場合、「医療脱毛を受けても大丈夫なのか?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
皮膚の状態によっては、医療脱毛が適さない場合もあるため、事前に正しい知識を持つことが重要です。
本記事では、各皮膚疾患と医療脱毛の関係について詳しく解説します。
1. 皮膚の病気と医療脱毛の関係
医療脱毛は、レーザーを使用して毛根のメラニン色素に反応させ、発毛機能を破壊する仕組みです。しかし、皮膚の状態が通常とは異なる場合、以下のような影響が出る可能性があります。
要因 | 影響 |
---|---|
皮膚のバリア機能が低下している | 皮膚のバリア機能が低下していると、外部からの刺激に対する防御力が弱まり、レーザー照射による炎症ややけどのリスクが高まる可能性があります。特に乾燥肌やアトピー性皮膚炎の方は、刺激を受けやすいため注意が必要です。 |
色素沈着や色素脱失がある | 色素沈着(肌の一部が黒ずむ)や色素脱失(肌の色が抜けて白くなる)などの状態があると、レーザーが正しく反応しないことがあります。色の違いによってレーザーのエネルギーが不均等に吸収され、やけどや炎症、さらなる色素異常を引き起こすリスクがあります。 |
疾患の状態によっては悪化するリスクがある | 皮膚疾患(乾癬、白斑、湿疹など)の状態によっては、レーザーの熱や刺激が症状を悪化させる可能性があります。例えば、乾癬や湿疹の炎症部位に照射すると、かゆみや赤みが強くなることがあり、白斑の場合はケブネル現象(新たな白斑の出現)が引き起こされる可能性も考えられます。 |
そのため、皮膚の病気がある場合は、医師と相談しながら慎重に判断することが大切です。
2. 各皮膚疾患と医療脱毛の可否
皮膚疾患 | 医療脱毛の影響 | 対応策 |
---|---|---|
乾癬(かんせん) 免疫の異常によって皮膚が赤く盛り上がり、銀白色の鱗屑(りんせつ)が生じる疾患 |
・乾癬のある部位にレーザーを照射すると、炎症を悪化させる可能性がある ・乾癬の症状がある場所は避ける必要がある ・光線療法の一環としてレーザー治療を受けている場合は、医療脱毛との併用が推奨されないことがある |
・乾癬のある部分は避けて施術を行う ・症状が落ち着いている時期を選ぶ ・事前に皮膚科の医師に相談する |
白斑(はくはん) 皮膚の色素を作るメラノサイトが減少し、白い斑点ができる疾患 |
・レーザーはメラニンに反応するため、白斑部分には反応しない ・照射後に新たな白斑が発生する可能性がある(ケブネル現象) ・皮膚の色素が抜けることで、脱毛後の見た目に影響が出る可能性がある |
・白斑がある部分は避ける ・皮膚科の医師と相談のうえ、リスクを理解したうえで施術を受ける |
湿疹(しっしん) 皮膚が炎症を起こして赤みやかゆみが生じる疾患(アトピー性皮膚炎などを含む) |
・炎症部分にレーザーを当てると、さらに悪化する可能性がある ・かゆみが強くなり、掻きむしることで傷ができることがある ・皮膚バリア機能が低下しているため、照射後にトラブルが起こる可能性がある |
・症状が落ち着いている時期に施術を受ける ・湿疹がある部分は避けて照射する ・医療機関で炎症の状態を診てもらいながら進める |
3. 医療脱毛を受ける際の注意点
皮膚疾患を持つ方が医療脱毛を受ける場合、以下の点に注意しましょう。
注意点 | 説明 |
---|---|
① 事前に皮膚科医と相談する | 医療脱毛を受ける前に、皮膚科医に相談し、自分の肌の状態に合った施術が可能かを確認しましょう。 |
② 症状が落ち着いているときに施術を受ける | 乾癬や湿疹などの炎症がひどい場合は、医療脱毛を受けるのを避け、症状が改善してから施術を検討しましょう。 |
③ 施術範囲を調整する | 皮膚の病変がある部位は避けて照射してもらうことで、リスクを軽減できます。 |
④ 肌の保湿とケアを徹底する | 脱毛前後の肌ケアが重要です。乾燥していると肌トラブルが起こりやすくなるため、保湿をしっかり行いましょう。 |
まとめ
乾癬・白斑・湿疹などの皮膚の病気を持つ方でも、状態によっては医療脱毛を受けることが可能です。
ただし、疾患の種類や症状の程度によっては、施術ができない場合もあります。
医療脱毛を検討する際は、皮膚科医と相談し、肌の状態に合った施術方法を選ぶことが大切です。
また、症状が落ち着いているときに施術を受け、施術後のスキンケアをしっかり行うことで、トラブルを防ぐことができます。
自分の肌に合った適切な医療脱毛を受けるために、まずは専門医に相談してみましょう。